アップルシード Appleseed

blueingreen2004-04-25

を見ました。これも就職活動の合間です。俺の戦いはいつ終わるんだろうか。
月曜の夜に、さっとレビューを書きます。
http://www.a-seed.jp/index2.html

というわけで書きます。(26日)
映像表現はすばらしいの一言と言いたいんですが、やっぱり気になってしまうのが、人物の描写の作りこみです。主人公のデュナンは文句なしに良いのですが、他の重要度の低いキャラクターが比較すると質が落ちているように感じられて仕方がなかったです。欲が出てくるせいか、どうしても、その差が気になってきてしまう。ちなみに、デュナンは声優一人、モーションキャプチャー二人という、3人係の演技なわけで、力の入れようが半端じゃない。美しくて力強かったです。
興行的に大失敗したファイナルファンタジーを見て思ったことは、CGはやっぱりCGであって、その対象の異化作用があまりに強力なため、長時間フルCGで人間を再現するのはやっぱり無理かな、ということ。どうしても、CGであることを意識せざるを得ない。アニメーションにこうしたゴリゴリのVFXでなじませる形でCGのモデリングを持ち込んだのは、現在のCG表現が2D(従来のアニメ)と3D(ポリゴン)の間を右往左往している中で、一つの回答を打ち出そうとしたからでしょう。もののけ姫以降、アニメにも3Dモデリングが多く使われるようになったけど、表現に幅と奥行きが広がった反面、表現における質感の統一に課題を残していた。今回は、あえてCGの方からアニメを考える形で、その2Dと3Dの表現のバランスが取れるポイントを探った形だろう。その意味では成功してます。
逆に、アニメの方からCGやVFXに歩みよったのが、イノセンスということになるかな。あの映画では、最初から最後までVFXをかけてしまったわけで、今後はこうした質感のバランスに対する手間のかけ方が作品の統一感に大きく反映されてくることになるのかも。
あと、ストーリーの方は、かなり荒くてせりふ回しもおおざっぱな印象を受けたのだけど(子供だまし的な展開が多く感じた)、まあ実際に絵で見せられてしまうと納得するより他ナイというか・・・。使い古されたサイバーパンク的路線のストーリーで、メッセージ性についても別に・・・という感じなんですけど、この映画の場合そこはあんまり見るところじゃないですね。とにかくいろんなものがぐりぐり動いて、主人公がいろんな表情やしぐさをして、あり得ない世界で、おとぎ話が気持ちよくがんがん進行していく時点で満足。原作を読みまくっていた僕としては、期待以上の出来であったことも付け加えておきます。せっかく金払ってみるんだから、楽しまなきゃね、映画は。