JOS VAN BEEST TRIO, "SWINGIN' SOFTLY"

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オランダのピアニストのJOS VAN BEESTのピアノトリオ。いやあ、ほんと職人系のピアニストだ。しっとりお酒飲んだりするのにいいんじゃない?普通もっとがつんがつん行ったり、「いえーーー」って感じなんですけど、この人はひたすらSoftlyを決め込んで、いい感じのフレーズをおしゃれに弾きまくってる。同じきれい目路線でも外向的というか、キース・ジャレットのような崇高さや、ビル・エヴァンスのような内省的な側面が強調されがちなヨーロピアン・ジャズとはちょっと一味違うなあ。(なぜかCDの紹介などでヨーロピアン・ジャズを語るときに、この二人がしばしば登場するんだよね。分かりやすいからか?)ロックの代わりにジャズを聴くようになった感じの人は嫌いかもしれない。こっちは大人の音楽ですから。タッチは抑え目から、熱いものまで自由自在だけど、どちらかというと優しくなでる?感じの弾き方が目立つ。(ちゃんとしっかり鳴らしてますけどね。)要するに、和声も含めて編み込み方が緻密なんだよなあ。荒いところが全くないというか。
あと、メロディがかなりいい。フレーズを作る発想が、今までの僕にない感じで、時間があったらコピーして研究してみよう。教科書的なフレーズも多いんだけど、なんか聞いたことない感じのもある。それに、「やっぱいろいろがつんがつん弾いちゃうのは、ださいし、下手なんじゃねえの?」みたいなオーラがにじみ出ていて、勉強になります。音の隙間の作り方とか、上手すぎる。早いフレーズも静か目に弾くところがミソだな。うるさいと恥ずかしいよね。反省。頭に血が上ってるのは良くないですよね。
今回の録音では、かなりベーシストが色々やっていて、目立つ。アルバムとして、かなりカラフルな印象だ。
とりあえず、一曲目のStella by Starlightから聴いて欲しいですね。極上のラウンジピアノって感じだわ。どジャズ野郎が集まるライブハウスの音楽じゃない。デートの締めくくりにこんなライブやってるレストランに入ったら最高っていう感じですよ。
っていうか、こんなの弾いたら女の子にもてもてになっちゃう。うーん、だんだん、思考がそれていく僕でありました。

Jos Van Beest(p), Evert J.Woud(b), Rolf Breemer(ds)